分院長の条件 ②「空間認知能」 |
どのような適正が必要なのであろうか?
ある施術者がいる。
治療の勉強も熱心で、治療をするのが好きである。
痛みの強い患者さんがいると
何とかして痛みを緩和させようとして
ついつい治療に熱中してしまう。
したがって、
治療時間もつい長引いてしまい、
気がつくと30分以上かかってしまう。
おまけに
あとの患者さんは
待ち時間が長引いて、中には帰ってしまう人もいる。
治療が長いことを注意されて反省し、
治療を手際よく行なうように心掛けるが、
数日経つと、また元のように治療が長引いてしまう。
このような施術者は
職人としては良い先生かもしれない。
しかし、
店舗運営管理者としての分院長としては向かない。
患者さんを治すことはできるのだが、
院長としては、必ず来患数に頭打ちが来る。
分院長の条件として
治療技術があることは絶対条件である。
それよりも重要なのが
院全体の運営状態を管理できる
「フロアコントロール能力」だ。
分院長として成功するためには
目の前の患者さんを治療しながらも、
次の患者さんや、待合室、スタッフの動き
など院全体も同時に意識できなければならない。
「空間認知能」という言葉がある。
脳神経外科医の林成之氏の著書
「脳に悪い7つの習慣(幻冬社新書)」には以下のような解説がある。
空間認知能とは、その名前のとおり、
空間のなかで位置や形などを認識する知能です。
「明日の10時」と言われたときに「翌日10時までの時間の
長さをイメージする」といった、時空を把握する能力も空間認知能
によるものです。
物事の手順を考えるときには、とくに空間認知能が重要な役割を果たすので、
空間認知が苦手だと「要領の悪い人」「仕事の遅い人」になりかねません。
さらに、空間認知能が低い人は、数字に弱い傾向があります。
これは、空間認知中枢の隣に数字を処理する中枢があるためです。
つまり、空間認知能が低いということは、物事が覚えられなかったり、
仕事が遅かったり、運動が苦手だったり、数字に弱かったり・・・と、
何をやってもダメな人になってしまいかねないことを意味します。
恐ろしい話しである。
私はこれを知ったとき
「分院長に必要なのは空間認知能だ!」と感じた。
分院長に向かない人には以下のような傾向がある。
・時間が管理できない(治療が長い)
・人(患者さん)を待たせていても平気
・仕事の要領、段取りが悪い(外傷処置が遅い)
・数字を避けて、曖昧な表現を使う(精神論は得意)
・行き当たりばったりで仕事を行なう(思いつき、アイデアマン)
・問題の解決能力が低い。問題を放置する(責任転嫁の傾向)
等々
分院長に向かない人とは
「空間認知能」が低い人と言っても過言でないだろう。
では、
「空間認知能」が低い人は
分院長になる見込みがないのであろうか?
林成之氏の著書によると
空間認知能を鍛えるメソッドとして
以下のようなことが挙げられている。
①正しい姿勢を意識する
②キャッチボールをする
③絵を書く
④字を丁寧に書く
⑤よくしゃべる
生活習慣を見直せば
空間認知能を鍛えることは可能なのだそうだ。
また、
「よく考える、くり返し考える」ことも脳の底力を
引き上げる効果があるそうである。
ちなみに
「脳トレ」のゲームやドリルでは脳を
鍛えることはできないとも述べられている。
はやり、
日々の業務の中での
「数値管理」や「時間管理」を地道に実践することが必要なのだ。
すなわち
数値目標を立て、達成方法を考え抜くことや
仕事や治療の段取りを決めて時間通りに実行すること、
さらに、
起こった問題を放置せず、
考え抜いて解決することこそが、
「空間認知能」の向上であり、成功する分院長への道ではないだろうか。
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