教育問題① 治療スタッフのモチベーション向上 |
その質問部分を一部抜粋して、再度考察してみることにする。
<質 問>
「治療スタッフが最もモチベーションが上がるアドバイスや
トレーニングが あれば教えて下さい。」
<考 察>
モチベーション(やる気)をアップするには方法は3つある。
・恐怖のモチベーション
・報酬のモチベーション
・内発的動機によるモチベーション
恐怖と報酬はよく用いられる方法ではあるが、持続的効果が得られないという欠点がある。
よく、「こんなに高い給与を与えているのに、院長のやる気が見られない」
と嘆く経営者がある。
たとえば、20万円の給与の人が25万円に昇給すれば、そのときは満面の笑みで喜ぶ。
しかし、すでに約束された報酬では、継続的なやる気にはつながらない。
また、恐怖(脅し)も同様に、実際に実行されないことがわかると、継続性はない。
要するに人から与えられたモチベーションでは継続性がないようだ。
しかし、自らの欲求によって出てきたモチベーションは継続性がある。
人間の欲求は、動物的な「生理的欲求(食欲・性欲・睡眠等)」から、高次の欲求として、
人から認められたいという「承認の欲求」や、自分の理想の姿を求める「自己実現の欲求」
まで様々な種類がある。
治療家が「治す」ということに頑張るのは、患者さんからの賞賛の言葉や、
開業や成功という自己実現に向かっているという気持ちがあるからではないだろうか。
したがって、治療スタッフのやる気を引き出すには、
現在の仕事が、患者さんだけでなく院長や経営者からも認められる機会があること、
そして、その仕事が将来の夢実現につながっているという確信があることが条件となる。
その条件が満たされた時に、初めてスタッフが「よし、頑張ろう!」
と思うのではないだろうか。
だからこそ、「教育システム」と「評価システム」そして、
それが職位やランク、報酬と連動し、明確に表されていることが必要である。
上記のどれが欠けても、継続的なモチベーションは実現しない。
これはあくまで、理想的な姿であるが、実現はそう簡単ではない。
経営者は、まずスタッフを認めて、ほめることを実践することが必要ではないだろうか。
長年「技を見て盗め」という職人的な慣習の中で、育った院長・経営者(私も含む)は
これが難しいのである。
でも、やればできる。
まずは、スタッフよりも教える側(院長・経営者)が、変わらなければ効果は期待できない。
実践あるのみ。