満足度の決定要因を理解する |
品質は高さは「プロセス」だとされている。
治療においても同様であるが、ここが中々理解しにくい。
現在、毎月の新入社員教育の際にも、
課題として「足関節の外傷処置」をテストなどを行なっている。
皆に「練習したか?」と聞くと、自信ありげにうなずく。
ところが、実際にペアになって患者役を立てたロールプレイを
行なわせると、しどろもどろになってしまう。
皆、足関節の包帯の巻き方ばかり練習してくるからだ。
実際の処置というのは、「問診」から「検査」、
そして判断し、準備をしてから「処置」の流れになる。
このプロセスをSTEPで書いて渡していても、それを見ない。
職人気質の人は皆、どうしても場面で捉えてしまう。
手技の練習に関しても同様に、
患者役がうつ伏せの状態になって行なう傾向がある。
しかし、実際の患者様は、うつ伏せ状態で運ばれてくるわけではない。
足で歩いて、こちらを見ながら治療を受けるのである。
患者様は、手足や肉体ではない。生身の人間である。
そして患者様は、ものの良し悪しを「五感」で捉えてプロセスで判断している。
ここが理解できなければ、人様から「お金」をいただくことは困難である。
「保険治療」と「実費治療」の違いは、実はここにあるのではないだろうか。
「利益のピラミッド経営法」では、業務をプロセスで捉えており、
「O.T.C(オペレーション・トレーニング・チェックシート)」というもので教えている。
来患数低下でスランプに陥っている人は、
「治すテクニック」の練習ばかりするが、思うように結果は伸びない。
ところが、プロセスの重要性を理解し「O.T.C」を使うことで初めて来患数が伸びてくる。
もっと簡単に言えば、
はやっている治療家は、患者様とのやり取りの「間」が実にいい。
逆に、どんなに治療の練習をしても伸びない治療家は
「間」が悪いだけの場合も多い。
実際には、コミュニケーションの問題がほとんどである。
患者の立場から見た「リズム」や「間」も、重要な治療技術ではないだろうか。