実費治療への移行 ~看板は同じでいいのか |
内科医院の玄関に、「肩こり・腰痛・膝痛、ご相談下さい」と張り紙がしてあった。
また、あるクリニックビルの玄関の動く電飾文字看板でも
「頭痛・肩こり・腰痛などお気軽にご相談下さい」とあった。
医科がついに、腰痛、肩こりの分野にも参入を始めたのだろうか。
しかし、私は医科における「腰痛・肩こり」の取り込みは厳しいと見ている。
来院したとしても、痺れや激痛を伴い日常生活に支障をきたすような、
重篤な腰痛・肩こり(頸肩腕症・ヘルニア等)になると推測する。
大多数の人々が訴えるよな軽度の腰痛・肩こりは取り込めないのではないか。
なぜなら、患者というより顧客心理として、
たとえ悩んでいても、軽い腰痛・肩こりで、
白衣を着たお医者さんに診てもらうのは、気が引けるからである。
これは中国に行ったときもそう感じた。
病院には、医師がマッサージをしてくれる「推拿科」があったが、
治療室は閑散としたものだった。
なぜなら、たとえ保険がきいても、医師の診察とレントゲン検査や
などを受けなければならない。
これは「気軽」とはほど遠いと感じた。
しかし、町のマッサージ屋さんは繁盛している。
「腰痛・肩こり」が巨大なマーケットであっても、
医科の参入障壁は大きい。
それは競合が多いのではなく、
「病院」はあくまで「病院」であり、
「腰痛・肩こり」専門店ではないからだ。
まず、その店は「何屋さん」であるをハッキリさせることが前提である。
これは、「整骨院」においても同様である。
たとえ、「10分マッサージ」や「ダイエット」をうたっても、
「整骨院」は「整骨院」なのだ。
大阪の知人によく聞かれるのは
「整骨院にそんなんで、行ってもええの?」である。
経営の原則としては、
まずその店のサブタイトルではなく、
メインタイトルである、第一看板は何であるかが重要である。
だから、何度でも言おう「片手間はダメだ!」と。