シフト調整能力 |
土曜日は特に忙しく平日並みの来患数となることもある。
当然、ベッドの稼働率も高い。
だから、平日よりも顔ぶれは強化しなければならない。
ところが、先日の土曜日の業務の際、
ある新任院長が受付スタッフのいない状態で朝のスタートをしていた。
受付女性スタッフがいなかった時間は一時間だけなのだが、
スタートが悪いと、業務終了までずっと尾を引いてしまう。
具体的に、どのようなことがおきるのか?
・施術者が治療に集中できない
・患者様の満足度(QSC)は低下する
・後から来たスタッフも混乱する
・皆がイライラする
・悪いイメージを体験した患者様はリピートしない
等々
一時的に多い来患数がある方が、のちに悪い影響を残す。
だから朝一番に良いスタートを切ることはとても重要なのである。
朝のオープンを見ることで院長(マネジャー)の力量がわかるとも言われている。
今回の新任院長は就任から半年も経っておらず、それを理解していなかった。
だが、この一件を業務終了後の稼動計画を見て気づいた私は、
電話口でかなり厳しく叱責した。
本人はかなり落ち込んでいるかと思ったが、
顔を合わせてみるとスッキリした顔をしていた。
失敗という学習が一番潜在意識に落ち込みやすい。
新たな学びを経て、スッキリした顔になったのであろう。
この「シフト調整」というスキルは、
実際に開業した際に最も苦労する部分でもある。
整骨院に限らず、あらゆる店舗運営において、
「人財という資源を調達する能力」が、
その後の経営発展を決定するといっても過言ではない。
きれい事ではシフトは調整できない、
時にはパートアルバイトスタッフに頭を下げて
お願いしてでも穴を埋めなくてはならない。
この「交渉力」こそが重要なコミュニケーション能力である。
本当に困った時に、スタッフの協力が得られるのがリーダーシップである。
新任院長がそれを身につけるには、最低でも一年はかかるであろうが、
一度身につければ、一生使える技術でもある。