手技の満足3条件① 「気持ちがいい」 |
多くの治療家の方々が共通して重要視していることは以前にも書いた。
患者視点で捉えて大きく3つある。
1.気持がいいこと
2.よく効くこと
3.痛みが取れること
上記3条件をさらに要約すると
1.治療を受ける際に、ストレスのないこと
2.治療を受ける際の、プロセスの良さ
3.治療を受けた後の、結果の良さ
手技において、この3項目が満たされていれば、
患者様から不満が出ることはまずない。
逆に3つのうちどれかが欠けても、不満感が残る可能性がある。
では1の「気持ちがいい」とは何か?
治療を受ける際に、ただ気持ちが良いだけでも物足りない。
しかし、皮膚をこするような不快感があっても気持ちよさは台無しになる。
「気持ちがいい」ということは「不快さがない」ということである。
これは何も刺激の強弱に限ったことではない。
タオルの掛け方やベッドの寝心地もある。
要するに顧客である患者様が、五感やメンタルで感じるものである。
だから、術者によるしゃべりすぎも含まれるだろう。
特に重要なことは、患者様の四肢の扱い方である。
理・美容においても、肌への触れ方とカットの技量は大抵比例している。
これはエステ系や美容系などのサービス業は重要視しているが、
まだ治療業界は遅れているのではないだろうか。
具体的には、患者様の体・手・足に触れる時、または抱える時の持ち方である。
物を持つようにする人もいれば、赤ん坊を抱えるようにする人もいる。
具体的に四肢の持ち方で表現すると、
いい例は下から抱えように手の平を上にして包み込むように持つが、
悪い場合は上からガバッと物をつかむように持つかの違いである。
我々は、患者様への接し方を注意することを共通用語で「TLC」と言っている。
これは
TENDER(優しく)
LOVING(愛情を込めて)
CARE(注意深く)
の略である。
いくら良い接し方を教えても、本人にTLCの意識がなければ習慣化できない。
治療業というのは、完全なサービス業であり、
顧客に対する思いや考え方が、
受け手に五感でダイレクトに感じられる業種である。
いくら自分が有資格者(柔整・鍼灸)だからといって
無資格のマッサージなどを馬鹿にしても、
サービス業の観点から見れば、立ち遅れているのが実情である。
結局、どんなに提供サイドが「これは良い!」と思い込んだサービスでも、
利用者である顧客が、「不快だ」と感じればアウトである。
個々の施術者でも、この部分で人気の違いが出ることがある。
要するに、体を使ったコミュニケーション能力である。
具体的に挙げればきりがないが、
以下の項目に気をつけていただきたい。
タオルのかけ方
触れ方
抱え方
刺激の導入
距離感
話しかけ方
話の聞き方
等々
次回はプロセスについて考えたい。