実費治療導入の問題点③ 料金設定 |
健康保険が主体の場合1~3割負担である。
したがって、高齢者は160円前後、
通常でも500円前後を患者さんからお支払い頂いている。
当り前の事だが、
実費治療でいう通常料金の3割の負担で治療が受けられるのだ。
それは、患者さんや治療する側にもわかっている。
しかし、消費者視点で考えると、
支払う金額を「価格」と捉えるのが当然である。
では、治療費という「価格」は、
いくらなら高い・安いのか?
これは価格の問題ではなく、
支払った金額に対する付加価値の問題である。
例えば3,000円の治療は高いのか、安いのか?
これは、患者さんが治療に対して、
5,000円の価値を感じれば安いと感じるだろうし、
2,500円の価値しか感じなければ、高いということになる。
消費者心理としては、支払った金額の1.5~2倍の値打ちがほしいところだ。
いくら「俺の治療は一万円の価値がある!」と言っても、
それが適正かどうかは、患者さんが決めるのだ。
したがって、実費治療のリピートや新規が少なければ、
それは適正な価格ではないと捉えていいのではないだろうか。
厳しいようだが、500円前後の保険治療でリピートが少ないのであれば、
1,000円の実費治療も導入は難しいだろう。
さて、本題に入りたい。
整骨院の実費治療導入の、問題点は「価格帯」である。
通常、同じ店舗であれば価格帯の上限と下限は1:3ぐらいが、
統計では適正とされている。
ということは、現状の治療費の主体が500円前後であれば、
一番高い料金もせいぜい1,500円ぐらいまでが適正ではないだろうか。
たとえ、市場価格からいえば、「これが3,000円なら安い!」
と言われる治療であっても、
通常500円前後の治療費を支払っている患者さんからすれば、
6倍の料金は高いと感じるだろう。
だから、3,000円の実費治療が主体の整骨院に転換を
考えるのであれば、
既存の患者層は、ほとんどが入れ替わることが予想される。
既存の患者層を温存しつつ、実費治療を導入するのであれば、
現状の中心料金の2倍から3倍ぐらいを上限にすることが、
望ましいのではないだろうか。
既存の患者さんに向けて実費治療を導入するのか、
あるいは一機に目指す実費治療に転換するのかは、
院長の経営者判断である。