表記問題② 真の問題点とは |
どのような看板表記をすればいいのだろうか?
前回述べたように、独立看板なら実費内容も表現できる可能性も出てきた。
しかし実際には、整骨院が実費内容を表記できないことが問題なのだろうか?
現に、表記してはいけないといわれている「腰痛・肩こり」が、
表示されている看板は、巷でも多く見受けられるようになった。
仮に、整骨院の表記がすべて自由になったら、
問題は解決するのであろうか?
否、真の問題点は、
こちらが提供しているサービス(治療)を、
いかに多くの方々に知ってもらい、
来院(来店)してもらうかである。
顧客への来店や販売を促進させる活動を
総称して「マーケティング」と言う。
整骨院は法の下、広告が規制されてきた上に、
比較的緩やかな競争時代が長年に渡って続いてきたため、
このマーケティングがほとんど発達してこなかった業界である。
また、日本の治療院業界全体においても、
一般的には治療内容や効能などを、
看板などの文字表示で訴えるだけで、
その他のマーケティング活動は、ほとんど皆無に近い状況だった。
そこへ、マーケティングの概念を先取りした「ボディケア」「リフレクソロジー」
などのリラクゼーション系が台頭したために、
従来の治療院は、重複した顧客層を横取りされたと言っても過言ではない。
7年程前、私はアメリカのカイロプラクティックやクリニックを
患者体験して回ったことがある。
だが、私が行ったクリニックのほとんどがビルの中にあり、
表記はエントランスにある小さなプレートに、
「Dr.○○・カイロプラクティックオフィス」とあるだけで、
同じビル内にある他の事務所などとなんら変わりはない。
一切の効能書きの看板すらない。
なぜ、効能書きすらない治療院が、患者を集めることができるのであろうか?
アメリカのクリニックにおけるマネジメント(経営技術)は、
日本よりはるかに進んでいる。
その中でも、特にマーケティング(来院促進)は重要な戦略なのである。
「治せば繁盛!」は間違いではない。
しかし、実際アメリカなどで繁盛しているドクターは、
「治す」ための勉強もしているが、
「治す」ということを、
外部に伝えるための「マーケティング」も勉強しているのだ。
彼らは「治る」というイメージを、
「マーケティング活動」により
生活者に様々な形で知らせているのだ。
我々の業界も、そのことに少しずつ気付いたようで、
マーケティングに関するDMも、見られるようになってきた。
しかしその多くは、何か魔法のような方法で、
「劇的に患者が集まる」といったような表現が多い。
真のマーケティングとは、
とっても地道な活動をコツコツ行って、やっと結果が出るものである。
では、「マーケティング活動」にはどのような種類があるのだろうか?
次回からは、「利益のピラミッド経営法」に基づいた、
「マーケティング活動」をテーマにしたい。