なぜ高い生産性が必要なのか |
施術者の適正な生産性は
時間当たり6,000~8,000円
であることを述べた。
この生産性は、
整骨院全般からすると
高い部類になるだろう。
では、
なぜそれだけの生産性が必要なのだろうか?
第1の理由は、
高質な人財を確保するためである。
第2の理由は
適正な売上・利益を維持するためである。
なぜ、
高い生産性が、
高質人財の確保に必要なのか?
かつての整骨院業界のインターンは、
独立開業することが前提であった。
だから、
低賃金・長時間労働であっても、
それは技術修得のためであり、
労使双方が納得済みであった。
勤続が数年たつと
定期昇給を待たずに
独立開業していく慣習は
非常に理にかなったシステムであった。
ところが、
時代は変化した。
施術者は必ずしも
独立するとは限らなくなってきた。
ただ単に技術修得だけが目的ではなく、
企業に勤務するように、
家庭を持ちながらも
働ける職場を求めるようになってきた。
一方の雇用側も、
分院展開なども視野に入れ、
できるだけ長く勤務してくれる施術者を
求めるようになってきた。
そのような状況の中、
高質な人財を確保するために
最も有効な手段は、
労働時間を適正化することと
社会保険・厚生年金の導入である。
社会保険がなくても給与が高ければ
いいような感じがする。
だが、
実際に就職活動する人が
まず確認してくるのは、
給与の額面よりも
社会保険の有無なのだ。
ただ導入に関しては、
人件費が高騰する可能性もあるので、
社労士などに相談して、
慎重に決定していただきたい。
では、
適正な労働時間とはどれぐらいなのか?
ちなみに
労働基準法では
柔道整復のような保健衛生業は
事業所の従業者が9人までなら
週44時間まで認められている。
しかし、
事業所が10人以上であれば週40時間となる。
しかも、
施術以外の業務時間もあるので、
40時間を丸々施術に当てることはできないのだ。
この労働時間の問題は、
労働基準法の遵守だけが目的ではない。
適正な売上・利益を
維持し続けるためにも必要なのだ。
利益のピラミッド経営法においても、
時間管理をして1日8時間で成果を出すことは
重要なスキルである。
また、
この8時間というのは
人間が良いパフォーマンスを上げる上での
適正な時間とされている。
8時間よりも
12時間頑張ったほうが
収益が高くなるような気がする。
しかし実際には、
12時間の長時間労働をさせた方が
施術者の能力が低下するだけでなく、
長期的には院の収益も低下してしまうのだ。
物品販売などの小売業は、
長時間営業をすれば収益は上がるかもしれない。
しかし
施術が商品である整骨院の場合には、
施術者を長時間酷使することは、
商品の品質低下につながってしまう。
これは、
商品力が、人に直結している
飲食業や理・美容業の世界でも同様である。
たとえ長時間労働を
やる気と根性で乗り切っても、
数年間続けると身体を壊すはめになる。
これは
技術職の世界では共通した現象のようだ。
先日も、
ある先生から
来患が前年割れしている旨の相談があった。
その打開策として
まず提案させていただいたのが
時間短縮なのである。
施術の生産性を
高めなければならない理由が
ご理解いただけたと思う。
では、
施術の生産性を高めるには
どうすればいいのか?
次回のテーマとしたい。
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