ガラス張り経営 |
松下幸之助氏は、創業間もない頃から
月々の決算内容を従業員に公開していたという。
店員と呼ばれる数名の従業員を抱える
商店の頃の話しである。
もちろん個人経営であるから、
儲けは全部経営者のものであり、
数字を公開する必要もない。
しかし、
決算内容を公開したことは、
従業員の士気を高め、
経営に対する参加意識を高める上で
大いに役立ったそうである。
これがないと従業員は影で
「親方、随分儲けとるな・・」と思うそうである。
整骨院経営においても、
レセプトによる総括表金額が
そのまま院長の儲けのように
とらえているインターンも少なくない。
売上と経費が明確であれば、
経営者に対する信頼感を持つと同時に、
経営への参加意識も期待できる。
さらに、
経営することの厳しさを教えることもできる。
逆に、これがないから
「院長のように施術ができれば開業できるだろう」
という大きな勘違いをしてしまうのではないだろうか。
もしも今後、
分院展開を検討するのであれば、
院長候補にガラス張り経営で
店舗運営を教えることは成功するための必須条件だろう。
つまり必要なのが、
月次決算=「損益計算書(P&L)」の教育なのである。
これについて、よくある質問がある。
「経営者給与も全部公開しなければならないでしょうか?」
そこでお勧めしているのが、
院長給与と本部費用に案分することである。
具体的には、
現在、自分が院長ならば、
自分の代わりになる院長職に
いくらの給与が支払えるかを考えて決定すればいい。
残りの分を、
本部の経営管理費として計上して、
今後の経営発展のための内部留保
および納税分とすればいい。
それを見て、
「院長だけ儲けてるな」と思う人はいないだろう。
むしろ、
今後のビジョンを知ることで
「自分が次期院長になるぞ!」という
チャレンジ精神とやる気が出てくるのではないだろうか。
だから、
院長の育成とは
「売上を増大させる方法」と同時に、
「利益を確保する方法」を教育することなのだ。
だが、
整骨院業界の現状はどうであろうか?
私は、
柔道整復師の採用面接で、
以前の職場の退職理由を聞くことにしている。
その際よく聞かれるのは、
「分院長をしていても、
レセプト内容や売上を一切教えてもらえない」
という不満だ。
ガラス張り経営は
離職防止のためにも必要なのかもしれない。
まずは
売上の公開と、
労をねぎらう言葉かけぐらいは、
最低限行っていただきたい。
◆ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ◆
『ピープルマネージメントセミナー「プロフィット」』
整骨院における利益確保
・2009年9月13日(日)大阪会場 ・2009年9月27日(日)東京会場
◆ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ◆