「ノウハウ」 ~時間内で仕事をするために |
今あらゆる業界で
長時間労働が問題となっている。
徒弟制度による
長時間労働が常識であった整骨院業界も
適正時間内での業務変革が必要になってきている。
それは
高質な人財に適正な給与を支払い、
長期に渡って定着してもらうための
最も重要な課題である。
では、
1日8時間、週40時間の中で
どうすれば生産性の高い仕事ができるのか?
もっと具体的に言えば、
施術者が限られた時間の中で、
どうすればより多くの患者さんを治療できるだろうか?
実際には
9~10時間前後を施術に当てている院もある。
これを実質7時間前後に短縮し、
しかも施術人数は、さらに増加させたいところである。
決められた時間の中で、
より多くの仕事をするための方法を「ノウハウ」という。
「ノウハウ」には以下の7つの方法がある。
① 「情報の使い方を考える」 ~必要な情報を取り出す
② 「新しい情報を集める」 ~必要な新しい情報の整理
③ 「権限委譲を行なう」 ~仕事を委任する
④ 「効果的な人の扱いをする」 ~コミュニケーションを取る
⑤ 「TO・DOリスト」を使う ~優先順位を付ける
⑥ 「システムを使う ~業務のフローを作り教える
⑦ 「テクニックをマスターする」 ~仕事をまとめる
これだけでは
わかりにくいので、
これらを現場に応用して
実際に成果の出ていることを述べたい。
まず、
施術者の生産性を高めるために
⑤ 「TO・DOリスト」を使う ~優先順位を付ける
⑥ 「システムを使う ~業務のフローを作り教える
⑦ 「テクニックをマスターする」 ~仕事をまとめる
を考えたい。
日々忙しい施術者が
本当にやるべきことは何か?
優先順位を付けて、フローを作り、
まとめる仕事とは何か?
それは、
施術者にしかできないことである。
具体的には知識と技術を要する
「診断」と「施術」である。
これは病院の医師を見ればわかることだ。
診療中の医師が歩き回ったり、会計をすることはまずない。
しかし、整骨院の実際はどうだろうか?
施術者が次のような作業で
忙しくなっていないか確認していただきたい。
・ベッドから受付まで歩く
・カルテを探す
・患者さんを案内する
・患者さんの着替えを待っている
・会計をする
等々
実際の治療業務に
これらにかかる時間を計測していただきたい。
実際の手技時間は10分程度なのに
手技以外の作業量が多いために
1時間当り4人の施術が限度になっている事例もある。
これらを
ノウハウを駆使することにより
時間当たりの施術人数を増やすことができるのだ。
手順よく改革を進めれば時間当たり6人まで可能だ。
その場合に応用するのが
① 「情報の使い方を考える」 ~必要な情報を取り出す
② 「新しい情報を集める」 ~必要な新しい情報の整理
③ 「権限委譲を行なう」 ~仕事を委任する
である。
ここで言う「情報」とはカルテである。
実際の治療現場で見られるのが
カルテの出し入れ、持ち運びによる時間の浪費だ。
(まったくカルテを出さない・書かないは論外)
①の必要な情報とは「ファイリング・スキル」であり、
カルテの取出しのことである。
いかに早くカルテを検索して、
出すことができる状態を作れるかがポイントだ。
さらに、
予約制が導入されていれば
診療開始前にカルテは事前に出しておける。
今度は
カルテを受付まで持っていかない方法もあるが、
これはまた別の機会にしたい。
②の「新しい情報」とは
シップやテーピングをした場合や
傷病数が変化した患者さんの情報を
いかに受付に正確に伝えるかである。
「お金のもらい忘れ」や「不要なトラブル」は避けたい。
我々は変更情報を載せたバインダーを
患者さんご自身に受付まで持っていってもらっている。
③の「仕事を委任する」の応用である。
患者さんを使うなんて「けしからん」と
思う人もあるかもしれないが、今のところ苦情はない。
以上、簡単に「ノウハウ」の応用について述べた。
究極まで施術者が
施術業務に集中できる状態を作ることが
「施術の生産性アップ」であると同時に
「施術の質のアップ」なのだ。
これらを実現するためには
「権限委譲」が最も重要なスキルとなる
だが驚いたことに、
女性スタッフに対して
新たな業務を権限委譲することができずに
悩んでいる先生は意外と多い。
実は「権限委譲」こそ
タイムマネジメントに必要不可欠な技術なのだ。
次回は「権限委譲」をテーマとしたい。
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