院の目標設定 ~1日の来患数は目標になるか |
何を指標にするべきであろうか?
よく語られるのが
1日の来院患者数である。
「今、患者さん何人ぐらい来ている?」
「○○人ぐらいかな・・」
私もそうだったが、
この質問には、
最近で一番多かった
1日来院患者数を言ってしまう。
最近、
ある先生が予約制の導入に踏み切られた。
その先生は
一人で施術されているので、
ご自分の施術人数がそのまま売上に反映される。
予約制の導入に関しては
周囲の同業者や友人たちも否定的だったとのこと。
なぜか?
決まって言われるのが
「予約制なんかしたら患者さん減るよ」とのこと。
予約制を導入すると
1日来患数の最高記録は出なくなる。
その意味であれば、
助言は正しいと言える。
その先生は予約導入後、
多い時で40人ぐらい来ていた患者数が
毎日続けて35人来るようになったそうだ。
これは良いことなのだろうか?
ここで考えていただきたいのが、
「得たい結果は何か?」
ということである、
1日の来院患者数なのか?
月間の来院患者数なのか?
年間の来院患者数なのか?
経営の観点からすれば
増やしたいのは売り上げである。
それは
1日の売上最高記録なのか?
それとも
月間の売上なのか?
プロ野球でも
よく現在の打率が指標にされる。
大リーグ史上初となる
9年連続200安打を達成した
イチロー選手は何を指標にしているだろうか?
彼は、
「打率は変動するが、安打は積み重ねることができる」
との理由から、打率よりも安打数を重視している。
これを参考にすると、
1日単位を目標にすることの
問題点が見えてくる。
たとえば、
1日の来患目標を50人と決めたとする。
「今日は53名!達成!やったー!」
翌日は、
「今日は45名。残念・・」
これを日々続けていて、
現在が良いのか悪いのか
判断できるだろうか?
少なくとも
月末にならなければ何もわからない。
ということは
月の半ばでは、
低迷していることもわからない。
従って、
改善策の手も打てないのだ。
初歩的な目標設定であるが、
まず月間の目標を立て、
それを日々に落とし込んで、
累計で経営状況を判断していただきたい。
そうすることで、
月初めに良かった状況が
月半ばで悪くなっても、
すぐに修復できる。
これがわかってくると、
1日の来患数の突発的最高記録に喜ばなくなる。
(計画的最高記録なら別)
なぜなら、
突発的な最高記録が出ると
翌日あるいは翌週の同曜日は
目標を大きく下回るからだ。
さらに、
累計でも来院患者数は低下し、
元に戻すのに時間がかかってしまう。
ある先生は、
1日来患数が38~55名と
今まで乱高下していた来院患者数を、
常に45名前後にコントロールにすることにより、
月間のべ来患数を増加させて、
毎月の収益を確実に確保することができるようになった。
1日の来患数は指標にはなるが、
目標設定は月間のべ来患数と売上にした方が
達成状況が明確化できる。
日々の来患数のみではなく、
累計来患数にも目を向けてみてはいかがだろうか。
◆ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ◆
『整骨院・経営セミナー「プレコンディション」』
~成功する院長の前提条件
・2009年10月25日(日)東京会場
◆ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ◆