施術者の目標設定 ~「施術の質」の数値化 |
月間の来院患者数および売上で設定することを述べた。
店舗全体の目標数値は
施術者の目標数値の総和となる。
では、その施術者の目標数値は
どのように設定すればいいのだろうか?
具体的には以下の公式になる。
施術者の目標数値 = 人時生産性 × 施術時間
単に施術人数だけを目標数値にすると
実際の売上金額との誤差が大きくなってしまう。
以前、我々も
施術人数は目標達成しているのに、
売上金額を見ると未達成になっていることが続いた。
そこで目標値を金額ベースに切り替えたのだった。
はやり、
金額ベースで目標設定したほうが間違いはない。
売上算出については
受付スタッフに患者さんごとの
治療費(10割分)を日々合算してもらえばいいだけだ。
施術による売上を
施術にかかった業務時間で割れば
「人時生産性」が出る。
「人時生産性」とは
1時間当りの稼ぎ高(生産性)を表している。
なぜ「人時生産性」が重要なのか?
たとえば、
新人施術者の成長は
何を判断材料にすればいいのだろう?
ただ単に
「基本的な施術ができる」という指標だけでは
適正な給与支給や昇給をさせることが難しくなる。
また、
月間の施術人数では
毎月の稼動日数が違うので
成長の指標としては不明確だ。
「時間当たりの生産性」が指標であれば
月別でも個人別の誤差がほとんどない。
その時間当たりを示すのが
「人時生産性」である。
我々は
「人時生産性」が施術者のレベルであり
「施術の質」を表すものであると捉えている。
「施術時間を短くすることは治療の質を落とすのではないか」
と思われる方も多いだろう。
脳科学者の茂木健一郎氏は
次のように言っている。
『時間を短縮し「効率化すること」と
「質を高めること」は同じことである。』と。
さらに
「時間を短くすることが
仕事の質を悪くするというのは錯覚で、
逆に仕事の質は高まる」とも言っている。
例えば、
カリスマ的な外科医の手術は
格段に短い時間で行われている。
施術においても
実際に算出してもらいたいのだが、
熟達した施術者ほど治療時間は短く、
「人時生産性」は高いはずである。
「施術の質」 = 「人時生産性」
という公式が理解していただけるだろう。
我々の院では
まず施術者としてデビューしたら
「人時生産性」3,000円以上を目標にしてもらう。
さらに4,000円突破、
次に5,000円突破を目指してもらうのだ。
最終的には
6,000円を突破することが
一人前の指標としている。
この「人時生産性」に
月ごとの「施術の業務時間」を掛ければ
かなり精度の高い目標数値が算出される。
この方法であれば
施術者各人が自分自身で
翌月の目標設定が精度高くできるようになるのだ。
気をつけなければならないのが
売上を上げるために「施術の業務時間」を延ばしてしまうことだ。
これは
逆に「施術の質」だけでなく
本人の能力まで低下させてしまう可能性が大きい。
だから、
「施術の質」を高めるためには
「人時生産性」を高めることを目標にしていいただきたい。
では、
施術者の「人時生産性」を高めるには
どうすればいいのか?
次回の課題としたい。
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