「教育」と「トレーニング」の違い |
これも人財育成が
進まない大きな理由ではないだろうか。
「コミュニケーション&トレーニング」
のマニュアルには以下の記述がある。
「トレーニング」=「SKILL TRANSFER」=「訓 練」
「KNOWLEDGE TRANSFER」=「教 育」
「この2つには相違がある」
「TRANSFER」とは移すという意味である。
従って「技術(SKILL)」を移すのが「訓練」で
「知識(KNOWLEDGE)」を移すのが「教育」となっている。
人財育成の基礎となる「トレーニング」は
「教育」ではなく、この「訓練」にあたる。
学校形式で行なう教育は
知識中心であるが、仕事で必要なのは実務である。
社員に対しても「教育」中心で行なっていることが
実務修得がうまくいかない理由のひとつではないだろうか。
わたしは数年前
うっかり自動車運転免許の更新を忘れてしまい
新たに免許取得しなければならなくなった。
当然、教習所に通う時間はないので
一発試験(一般試験)に臨むことにした。
20年以上の運転キャリアがあるので
ある程度自信はあったが、その自信は見事に打ち砕かれた。
長年におよぶ運転の癖が
技能試験では大きな障害となったのだ。
これを修正すべく
1時間単位のドライバースクールに通って、
やっと検定に合格することができた。
私が受けたのは
「運転教育」ではなく「技術訓練」である。
もし、
私が座学の教育形式のみで
技能試験に臨んでも合格はできなかっただろう。
職場における
スタッフ育成も同様に
「教育」ではなく「訓練」形式で行なう必要がある。
これは「トレーニング」の種類を知れば理解できる。
<トレーニングの種類>
① オンザジョブトレーニング : 現場での実技訓練
(O.J.T) (目標を達成するまで、繰り返し行う)
②オフザジョブトレーニング : 現場から離れた理論訓練
(OFF.J.T) (客観的に考え方・原則を学ぶ)
③セルフトレーニング : 自己啓発 (マニュアルから自分自身で学ぶ)
上記①、②でのトレーニングを受けたことを、
仕事を実践しながら自分自身で学びレベルアップ
していく方法のこと。
通常「社員教育」と言われるものは
ほとんどが②の「OFF.J.T」で行なわれている。
しかし、
実際に実務修得の効果があるのは
①の「O.J.T」だと言われている。
「O.J.T」で、実行できなかったことを
自ら「セルフトレーニング」できる人が
本当の人財になる。
私は
大声で「頑張ります!」という人を
「彼はモチベーションが高い」と評価したために
人財育成が進まない時期が数年間あった。
トレーニングの概念を知らなかったためだ。
本当にモチベーションが高い人とは
元気良くは見えなくても、
セルフトレーニングでコツコツと努力できる人のことである。
決して派手さはないが
一歩一歩新しい技術を修得ができる人間のことである。
ちなみに中国では
社員に対して「社員教育」と言ったら侮辱的な言葉になるそうだ。
漢字の通り「教えて育てる」は
大人が子供に対して行なうことであり、
社員は
「私は子供じゃない」
「学校は卒業しています」
「あなたに今さら教育されたくない」
「トレーニングなら受けますけれども、
教育ならば私のことを未熟と見なし、
子ども扱いするのと一緒です。それは侮辱です。」
と言うことになるそうだ。
(宋文洲氏談)
今後は
「社員教育」ではなく
「トレーニング」文化への転換が必要ではないだろうか。
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