リーダーシップ3つの条件 |
成長するためには何が必要なのだろうか。
林俊範先生が
亡くなる数か月前から
繰り返してご指導いただいたことがある。
「社長のリーダーシップ」と題して
ホワイトボードに書いて下さったことだ。
「社長のリーダーシップ」とは
① 業績を上げる能力
② 人を大切にするリーダーシップ
③ 真摯な経営姿勢
(林俊範先生 2010.6.28)
この3つは
何を意味するのだろうか?
この3つは経営者に限らず
末端の社員に至るまで必要な条件だろう。
① 業績を上げる能力
どんなに綺麗ごとを言っていても、
また大声で気合を入れて叫んでみても
業績を上げることができなければ意味はない。
施術者であれば
できるだけ多くの患者さんに支持されることだろう。
また、経営者であれば
適正な売上と、利益を確保することであろう。
かつて私も
業績が中々上がらず、利益が出ない時期があった。
その時、林先生からは
「利益は出ていますか?」
「中園社長はきれいごとばっかり言っています。」
「まずは儲けなければいけません」
と言われ続けていた。
「医療の世界で儲けを考えてはいけない」
という固定概念が私にも染みついていたのかもしれない。
だが、今はあえて思う。
正しく儲けなければならないと。
② 人を大切にするリーダーシップ
「従業員を大切にする」
「社員を家族のように大切に思う」
よく聞く言葉である。
では一体
どのように従業員を扱うことが
大切にすることなのであろうか?
「本人のため」と称して
精神論で重労働を強要して、
酒を酌み交わすことだろうか。
私自身も少なからず
そう思っていなくても
創業当初の経営では、その傾向があったことは否めない。
本当の家族であれば
良い環境の中で、良い教育を受けさせたいと思うだろう。
経営においては
労働環境・労働条件であり
またお金のかかる教育を施しているかである。
特に林先生が
こだわったのが「スタッフルーム」と
「ユニバシティ(社内教育機関)」の設置である。
これは
とてもお金がかかることであるが、
綺麗ごとを言うよりは社員にもわかりやすいことも確かだ。
経営者として
これができることがリーダーシップなのだろう。
また、
社員であっても
「人を大切にする」姿勢は重要である。
自分より目下の者に
どのように接しているか。
優しければ良いのではない。
他の人のために労を惜しまず何かができるかである。
具体的には
下のスタッフを育成できるかである。
院長をさせてみればすぐにわかることである。
厳しいようだが、
人を育成できない人は
経営者になっても見込みはないだろう。
この部分は
「トレーニング」というスキルを
学ぶことで誰でも身に付けることができる。
③ 真摯な経営姿勢
「真摯さ」とは何だろう。
本来の意味は「まじめでひたむきなさま」だ。
林先生曰く
「レイクロックは経営を通して
『正直・率直・素直』な人を育成しようとした」と。
またドラッカーは
「真摯さは習得できない」
「あとで身につけることはできない。真摯さはごまかしがきかない」
と言っている。
さらに
「真摯さはリーダーシップの条件であり
後天的には身につけることができない」
とも断言している。
恐ろしい言葉でもある。
では「真摯な経営姿勢」とは何だろう。
一言で言えば
「ごまかし」がないことではないだろうか。
顧客に対して、従業員に対して、
そして世間に対してごまかしがないか自問したい。
具体的は
お金に関することが多いだろう。
売上、経費、利益、税金 等々
では、
レイクロックの言う「真摯さ」とは何であろうか?
林先生は「正直・率直・素直」と解釈された。
「利益のピラミッド経営法」において
求められることは次のようなことである。
「正 直」
従業員に対しては
完全なガラス張り経営ができるかである。
社員に対しての損益計算書による売上・経費・利益の公開、
そして経営者に至るまでの給与の公開。
顧客に対しては、
適正な価格、料金、品質の明確さであり、
厳格なまでの法令遵守(セーフティ&セキュリティ)である。
「率 直」
人に対する接し方に
この「率直さ」が求められる
具体的には
「私はあなたに~してほしい」と率直に言えるかどうかである。
特に女性をマネジメントできる人はこれができる。
「素 直」
経営の法則を
素直に学び、そして信じて忠実に実行することが求められる。
わずかな我流や、都合の良さが入ると機能しない。
頭では「利益のピラミッド経営法」を
理解できていても、全く実行できない人もいる。
逆に若い経営者でも
本当に素直に実行し、しかも大胆に経営改革をする人もいる。
また
そのような人は驚くような成果も出している。
私が接してきた経営者の中にも
この「正直・率直・素直」を兼ね備えた人は多くいた。
その人たちは
厳しい状況の中でも、
経営が必ずといって良いほど好転している。
以上、
リーダーシップの3条件について述べた。
日々の経営、
そして仕事の中で成長していくためには
上記の「3つの条件」について自分を高めることが必要だと私は思う。
偉そうなことを書いたが
私自身、実行は未だに伴っていない。
ただ、
あるべき経営姿勢として
私が教わってきたことを述べさせていただいた。
これを読まれた方の
仕事や経営の参考にしていただければ幸いである。