禁止令の弊害 |
数年前、経営指導を受けている際に、
当院のマニュアルについて、言われたアドバイスだった。
日本型教育を受けている我々は、どうしても禁止令になりがちである。
「○○をしてはいけません」「△△には入らないように」等、
さらには「◇◇をすると、大きな失敗をしますよ」という脅しもある。
なぜ、禁止令はいけないのか?
言われた本人には、やっていけないことをしているイメージしか浮かばないからである。
よく見られる「立入り禁止」では、
その禁断の園に、入っている自分をイメージしてしまう。
しかし、アメリカでは「STAFF ONLY(従業員専用)」である。
かつて当院で、マニュアルに禁止令を入れていた頃は、
現場は次々と、マニュアルに書いていない、
やってはいけないことをやってくれる。
「なるほど、そういう手口があったか・・」とさらに禁止令は増えていく。
まるでイタチゴッコであった。
だからマニュアルの原則として、
やってほしいことを、具体的に明記しなくてはならない。
そのマニュアルで、例外行為が出た時は、
本人を責めてはいけない。
マニュアルの表現方法に問題があるということである。
だから、マニュアルでも、指導でも、
「△△をするな!」ではなく、
「○○をして下さい。」と言わなくてはならない。
頭ではわかっている。
だが今朝も、
「××は、するなと言ったじゃないか!」と言ってしまうのであった。