マーケティングを知る |
この方が、独立起業家のために塾長を務める、
「アタッカーズ・ビジネススクール」という勉強会がある。
この勉強会には、起業家養成から財務まで様々なコースが用意されている。
2001年、経営の勉強をし始めていた私は、
「事業計画書立案講座」に参加することにした。
これは、塾生が自分の事業計画書を作成し、
その内容について、大前氏から指導してもらえるというすばらしい企画である。
最終的には、東京と大阪から数名の候補者が選抜され、
大前塾長や皆の前で、プレゼンテーションをすることになる。
私は無謀にも、「ブランド整骨院の全国チェーン化事業計画書」という題で、
3つのコンセプト(考え方)を打ち出した。
①従来の概念にとらわれない新しい形態
②ブランドによる安心と信頼
③従業員満足度の高い職場作り
この3つを含めて、事業計画書を提出した。
大阪からは私ともう一人の塾生が選ばれた。
最終プレゼンの前に、各人の事業計画書について、
大前塾長から、アドバイスをいただくことになった。
以下、当時の大前塾長と私のやり取り。
大前氏 「整骨院とは何をするところなの?」
中 園 「健康保険適用で、骨折・脱臼・打撲・捻挫などを
治療することができるところです。」
大前氏 「主要客層は?」
中 園 「おもには、腰痛や肩こりの方が多いです。」
大前氏 「それは、おかしいではないか」
中 園 「・・・・」
大前氏 「そもそも、整骨院というところは、何をするところかわかりにくい」
「それを、解決しなければ事業展開は成功しない」
私は痛いところをつかれ、
数百人の塾生の面前ということもあり、
完全にフリーズ状態になってしまった。
同時に、私の考えていたことがアイデアだけのもので、
いかに幼稚で、お粗末で、無知蒙昧だったかを痛感した。
最終プレゼンも、残念ながら辞退することにした。
でも、多くの学びもあった。
かつては「骨を接ぐ」という整骨院という業態が、
整形外科の台頭や時代の変化と共に、
生活者にわかりにくい業態になっていることにも気がついた。
今はまず、経営というものを基礎から勉強し直し、
我々が「何屋であるか」をしっかり決めなければ始まらないと感じた。
それが「マーケティング」を勉強するきっかけであった。
一般的に「マーケティング」というのは、
消費者への販売促進するための活動とされている。
だが、整骨院における「マーケティング」は、
生活者に、いかに整骨院というものを理解してもらうのか、
また、いかに気持ち良く来院していただくかを、
突き詰めていく活動ではないかと捉えている。