問題点の整理 |
社員による「リーダーミーティング」を行なっている。
先週末は、整骨院業界の不正請求問題を
追求している報道番組「ムーブ」による一連の
報道内容の全編を見て、皆で対策を話し合った。
ここで注意しなければならないのが、
問題点の整理である。
整骨院業界の問題点として、
様々なことが挙げられている。
しかし、全ての問題をゴッチャにして捉えると、
何もかもが不正であるかのような錯覚に陥ってしまう。
例えば子供が、たくさんの理由で激しく怒られると、
「僕は悪い子なんだ」という条件付けになってしまうように。
科学的経営においての問題解決法には手順がある。
「思考の手順」と言われるもので、
「観察・分析・判断」の大きく3段階で対処する。
まず問題点を観察しなければならない。
その方法として、
・問題点を箇条書きにする
・問題点に番号をつける
というのがある。
このようにして、番組で言われていることの
問題点を整理してみた。
以下はミーティングで使用したレジュメ内容である。
ムーブ「接骨院の不正の実態」報道について
<思考の手順で考える>
1.報道内容の問題点の分類
1)接骨院の保険適用範囲
・捻挫、打撲、骨折、挫傷、脱臼 ?
・肩こり、慢性の腰痛や痛み、神経痛、リュウマチ・・・保険適用外
2)委任状の署名
・白紙委任は許されるのか
3)水増し請求
・実際の来院日数と、請求日数が違う
4)架空請求
・来ていない人を請求する(親戚、家族、従業員)
5)傷病名
・インタビューし、肩こりで保険がきくと患者様が言っている
6)部位数
・1箇所の治療で3~4箇所の請求をしている
7)報道に対する脅迫
・勝谷さんのお父さんに脅迫めいたメールが送られてくる
8)柔道整復師や接骨院が社会的に必要かどうか
我々は、この報道をどう捉え、どう行動していくのか・・・
現在は・・・応急対策
将来は・・・制度対策
以上がミーティングの検討内容である。
問題点は8項目に分類できた。
これだけの項目が頭の中で混乱すると、
解決できるものもできなくなり、ネガティブになってしまう。
しかし、番号別に振り分けることで、
解決策を検討しやすくなる。
また、前向きに改善・改革にも取り組んでいける。
但し3)4)については、明らかに不正であり犯罪行為である。
これと他の問題は、区別したい。
現在、当院でも応急対策として取り組んでいるのが、
2)委任状の署名の問題である。
前回の経営塾でも、受講者の方から質問があり、
これについても、現行の対応策を参考にしてもらった。
業界の制度上の問題は多々あるが、
今は、患者様の不信感につながるようなことから、
早急に対処しなければならない。
それには、アイデア的な判断ではなく、
客観的事実と分析に基づいた解決法の検討が
必要なのであろう。
トヨタではないが、
まず「なぜ」を5回繰り返して考えていきたい。