患者様との会話力 |
観察し、アドバイスする機会(SV・C&T)を設けている。
皆ある程度、同じ施術のルーティンを行なっているのだが、
やはり施術人数には個人差が出てしまう。
その差は何かを観察していると、
手で行なう治療技術の差はもちろんであるが、
患者様との「会話力」の差でもあることが明確にわかる。
私は患者様を満足させる「治療力」とは、
「手技力」と「会話力」であり、
その比率は5:5であると思う。
どちらが偏っていても良い結果は得られない。
結局、これは治療に限らず、美容業や販売業における個人差も同様であろう。
先日も、美容院を9店舗展開されている経営者の方とお話しする機会があった。
その方も、美容師さんの成功要因は、
「技術ではなく、コミュニケーションだ!」と断言されていた。
では、人気の高い施術者のコミュニケーションは、何が違うのか?
実際には非常にシンプルなことだ。
齋藤孝氏の「人生の成功者になるための話し方五ヵ条」を参考にする。
①目を合わせる
②微笑む
③時々うなずく
④相槌を打つ
⑤コメントする
以上である。
現場を見ていても全くその通りである。
①できる施術者は、アイコンタクトが上手である。
不調な施術者は目を見ることができない。あるいは目が泳いでいる。
②できる施術者は、自然なスマイルが出ている。不調な施術者は表情が硬い。
③できる施術者は、相手の話に体で反応し、うなずきが多い。
不調な施術者は返事をしているが、体や視線がよそを向いている人が多い。
④できる施術者は、患者様の話の内容によって「へー」「はぁー」「なるほど!」
などという相槌が多い。
不調な施術者は「ウー」などと、偉そうでワンパターンの返事ばかりしている。
⑤できる施術者は、話をオウム返しで「へー○○ですか」と繰り返したり、
「△△ということですね」と要約したりしている。
できない施術者は、自分の言いたいことばかり言うので、話題がズレて会話が途切れてしまう。
できる施術者は、患者様に限らずスタッフなどに対しても、
相手の話を真剣に聴いており、
多くを語らずも、まじめに答えている。
一方、伸び悩んでいる不調な施術者は、相手が話している間も上の空で、
自分の話すことを考えている傾向があるようだ。
この癖を治すのはとても難しいが、
上記のような5項目を意識することで、ある程度の改善はできる。
ただ、癖は治療をしている間だけではなく、
日常生活の中で常に意識した方が改善が図れるようだ。
実際に「目を合わせる」だけを日常から意識して、
低迷していた来患数が、急激に上昇した施術者もいる。
結局、治療家の会話力とは
「話す内容」よりも「聴く力」と言えるのではないだろうか。