「問題解決スキル」 |
そして、先週より始まった「時間短縮プロジェクト」について、
各院の院長から報告してもらった。
午前・午後ともに患者様からの大きなクレームもなく、
今のところ予想したほどの混乱や、極端な来患数の低下はなかった。
逆に週単位では来患数がアップしたところもあった。
しかし時間が短くなった分、
ピーク時にお断りしなければならない状況が発生していた。
これは、早急にピーク時の体制を整えなければ、
ご迷惑をかけた患者様は2度と来院されなくなる可能性がある。
これが当面の大きな課題である。
今後も解決すべき問題は多々あるが、
大きくは2つの課題がある。
①院ベッド稼働率の向上
②各施術者の稼働率向上
今後は、「院全体」と「個人別」両方について、
精度向上しなければならない。
やるべきことは、無数にあるが、
時間は限られているので成果の出ることに集中しなければならない。
では、何を優先的に行なうべきなのか?
その判断基準で、重要になるのが「問題解決スキル」である。
全ての事象に対して、以下の問いかけが必要になる。
・「今、解決すべき問題点は何なのか?」
・「それは何が原因なのか?」
・「どうすれば解決できるのか?」
・「今後、起きないためにどうするのか?」
である。
院長も経営者も、実力の差はここで決まると言っても過言ではない。
いつまでたっても、状況が好転しない場合は、
その当事者の頑張りが足りないのではなく、
行なっている取組みがずれている場合がほとんどである。
そこで、皆が自立的に問題解決のスキルを身につけるために、
一冊の本を紹介した。
それは「世界一やさしい問題解決の授業」という本である。
今後はこれを教科書にしていくことにした。
この本にも出ている「分解の木」という方法を使って問題解決を行なうと、
単に頭で考えた問題解決法とは雲泥の差が出てくる。
現在、書店などにも「理論的思考」「ロジカルシンキング」などという題名で
本がたくさん出ている。
それを、世界的なコンサルティング会社「マッキンゼー」出身の著者が、
中高生にも分かるように、やさしく解説してくれたものである。
経営学を学ぶ項目は「マーケティング」や「財務」など色々あるが、
まず基本として勉強数するのがこの「問題解決スキル」である。
私も、経営に対する自分の無知を克服したいと思いから、
今から6年程前に経営学修士(MBA)のカリキュラムを教えてくれる
スクールに通ってみた。
そこには、夜仕事が終わってから自分の時間とお金を使って、
多くの企業人たちが多数参加しており、
このような勉強を真剣にしているのを目の当たりにしてビックリした。
また、その企業人たちの前向きさと、発言の鋭さを前にして、
今までの自分の不勉強をより一層恥じたものだった。
でも一番感じたのは、
こんな「問題解決の考え方」を
「もっと早く知っておけば良かった」ということである。
今現在、一生懸命行なっている取組みは、
本当に将来的に良い結果に結びつくことなのか?
「分解の木」で検証して見る価値はあると思う。