新入社員教育 |
我々が本格的に新入社員教育を行なうようになってまだ3年目である。
毎年、試行錯誤しながら教育内容を決めていた。
今年は、まず柔道整復師として早く現場に出てもらうために、
施術を中心に教えていくことにした。
そして先月、我々の行なっている基本的な手技を中心に指導した。
皆、真剣に取組んではいるのだが、
受講態度および受講後のレポート内容は、学生モードそのものであった。
もちろん治療技術は大切なのだが、
これからの競合時代を勝ち抜くためには、
ビジネススキルも不可欠と痛感し、
急遽内容を変更することにした。
第2回目の今回は、ビジネス用の新人訓練テキストに沿って、
4時間の教育をすることにした。
私も10年ほど前から様々な経営セミナーに参加するようになって、
ビジネススキルについて、自分の無知を痛感した。
特に異業種の方たちと、勉強を共にする際に
恥をかくこともたくさんあった。
だから、スタッフにはそんな思いをさせたくないとの思いから、
社会人としての基礎的な教育も導入するようになった。
今回のテーマは4項目。
Ⅰ「社会人への出発」
Ⅱ「会社とあなた」
Ⅲ「ビジネスエチケット」
Ⅳ「日常のビジネス」
整骨院であっても、
家族ではない他人同士が働く職場環境であれば、立派な組織である。
だから、組織で働く人としての最低限の知識は必要になる。
具体的には以下の内容である。
Ⅰ「社会人への出発」
・今までの学生との違い。「買う側」から「売る側」になったこと。
・「報酬」とは「時間」に対してではなく、「職務」を果たしたという行為に対して支払われること
Ⅱ「会社とあなた」
・あなたの上司は一人だけ(指示・命令のダブり、違いを避けるため)
・指示・命令を受けた場合には、必ず結果を報告すること
Ⅲ「ビジネスエチケット」
・身体・服装・姿勢・動作のエチケット
・正しい敬語の使い方・電話のとり方・お客さんとの会話
Ⅳ「日常のビジネス」
・時間の使い方(仕事の準備・遅刻・欠勤のルール)
・メモをとる習慣・正しい数字の書き方
・ビジネス文書の書き方
以上、ごく基礎的な「常識」を知ってもらった。
本当にこんなことが、小さな整骨院という組織の中で必要なのだろうか。
私も当初はそう思った。
しかし、今まで頭を悩ませてきた様々な問題や対外的なトラブルは、
このような教育が徹底できていれば、解決できていたものばかりである。
現状での我々が、できているわけではないが、
取組むべきことがわかっているだけでもメリットはあるだろう。
教育終了後、
今まで知らないことばかりで、
萎縮していた新人たちの態度が、
少しだけ自信に満ちたように見えた。