パートアルバイトスタッフの戦力化 |
社会保険庁の講習会に参加した。
今後は、保険診療報酬だけでなく、
実費治療の導入もやむなしという話もあったそうだ。
ただし、料金も明確にし、カルテも分けるようにとの事。
逆に言えば、今後は保険治療と明確に区分をした上で、
実費治療を行なうことを容認したとも受け取れる。
昨年11月、東京地裁が「混合診療」原則禁止を違法とする
判断を示した事も関係しているかもしれない。
いずれにしても実費治療導入は、整骨院の大きな課題である。
では、どのような実費治療を導入すれば良いのだろうか?
ここで、考え方が大きく2通りに分かれる。
①院長先生自身が、保険治療ではなく実費治療を行なう形態
②院長以外のスタッフが実費治療を行なう形態
①の場合は、院長自身にかなりの治療技術が要求される。
一人院の場合は、時間当たりの治療単価が、保険を大きく上回れなければならない。
また、他に施術スタッフがいる場合でも、
権限委譲がうまくいかなければ、保険診療報酬が激減する恐れもある。
いずれにしても、他に抜きん出た治療技術を持たない整骨院には
向かない形態ではないだろうか。
一方、院長以外のスタッフが実費治療を行なう②の形態は、
「耳ツボ」や「リフレクソロジー」等で実践されている先生も多い。
この②の形態のメリットは、保険治療とのゾーン分けを行なうことで、
実践しやすくなり、利用者にも訴求しやすい。
また、必ずしも保険治療ができる有資格者でなくても施術が可能である。
しかも、従来の保険治療を利用する患者さんに対しても、
オプションとして提案できるメリットがある。
スペース的な課題はあるが、比較的ローリスクで実践が可能である。
我々は、実費治療導入の戦略としては②の形態を選択した。
この形態が、さらに利点として上げられることは、
女性スタッフの活用である。
従来の女性スタッフは、施術の補助が主体ではなく
電療の補助、受付・会計など直接的な生産性は持たなかった。
だから、整骨院での手厚いサービスを強化すればするほど、
院の一人当たり生産性は低下し、見えない収益悪化の原因ともなっていた。
ところが、彼女たちが、実費治療の戦力となれば、
スタッフ全員が生産性を持つというメリットがある。
しかも、オプションとしての実費治療は、
技術的なことも大切であるが、
接遇レベルの高いコミュニケーション力がさらに重要となる。
率直に言えば、
保険治療に慣れきっている施術スタッフの
接遇レベルを引き上げるのは、かなり困難を伴う。
それに比べて、主婦などの女性スタッフは、
以前に販売や営業職などを経験したことのある、
コミュニケーションスキルの高いスタッフが比較的多い。
そのメリットを最大限に活かす意味でも②の戦略は、
今後、かなり有効であると考えられる。
実際に当院でも、ここ数ヶ月、
実験的に女性スタッフの活用を進めてきたが、
彼女達の持つ能力や、
出す結果は、予想以上のものだった。
次回からは、女性パートスタッフの活用について考えてみたい。