市場予測 ① |
経営方針の転換期を迎えているそうだ。
10年前には、全国で1万店あったビデオレンタル店も、
競争の激化や、DVDソフトへの転換などで、今や5千店に半減した。
その中で一人勝ちの「TSUTAYA」が、
映像のネット配信という市場の変化に苦悩しているとのことだ。
現在は安泰と思われる商品でも、新商品の台頭や、
市場の変化によりアッという間に苦境に陥る可能性があるのだ。
我々も決して例外ではないだろう。
まず、我々の置かれている環境や市場を、客観的に知ることが重要ではないか。
我々の置かれている環境を大きく捉えると「健康ビジネス」である。
急成長分野である「リラクゼーション・マッサージ・エステ」の市場規模は、
1兆2000億円とも言われている(「東洋経済」2007.5.26号)。
整骨院も、その市場の中では「マッサージ」のカテゴリーのひとつとして扱われている。
これをさらに細かく分析するために、市場調査専門会社の
矢野経済研究所が発刊しているレポートを購入した。
「2006年度版・ハンドトリートメント市場の展望と戦略」である。
900ページのレポートであるが、定価は157,500円である。
本の値段としては、明らかに高いかもしれない。
しかし、今後の方向性を間違ってしまった場合の、
時間や労力の損失は多大である。
将来の方向性を示唆する材料として購入した。
この資料でいう「ハンドトリートメント」とは「統合医療」のことで、
「鍼灸・マッサージ・柔道整復・カイロプラクティック・リフレクソロジー
・ボディケア」などを指している。
その資料によると、
ハンドトリートメント市場は、代替医療への注目度が高まっていることや、
医療系専門学校の急増、多忙な現代人が「癒し」を求めていることから
拡大しており、2003年に6,845億円の市場が、
2005年には7,345億円に拡大を続けているとしている。
もちろん、財政難である保険医療に依存している整骨院の市場規模が、
今後も順調に拡大し続けるとは考えにくい。
整骨院にも実費治療への転換が叫ばれている。
だが、そこで考えなければならないのは、
実費治療の市場とはどのようなものかである。
当然、実費治療の世界にも、ニーズや市場の変化はあるはずである。
次回は「ハンドトリートメント市場の展望と戦略」に書かれていることを
分析したい。